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- 出版社/メーカー: light
- 発売日: 2007/08/10
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戦闘機モノと見せかけて戦争モノと思わせておいて実は政治経済について非常に勉強になるエロゲ。
エースコンバットとかそこいらを期待していると壮絶なまでに裏切られます。
空戦に関して戦術よりも戦略についての描写をメインに据えているので、戦争を終わらせるのに必要なのは戦闘技術向上ではなく、アメリカの大統領選挙の行方ということになります。というかそもそも戦術的にも遠距離誘導ミサイル撃ち合ってどっちが着弾するの早いかの運試しで、パイロットの腕前で戦況を左右できる範疇がほぼ皆無という。一応エースパイロットな主人公の切なさが尋常じゃない。
やっぱりガンパレみたくSFじみた「バケモノ退治」じゃない、政治手段の一環としての戦争は単なる交渉手段なんですよね。リアルな世界にはアジテーターはいても、どこかのガンダムみたく悪の秘密結社として繋がっているわけではない。「敵を倒せば終わり」という理論がそもそも通用しないと。
逆にそれを逆手に取ったグランドエピローグは、初めて主人公が主人公らしいことをしたような気がして大納得。
何となく新しいと感じたのは、学徒兵の行動原理が「愛する存在を得たとしても、それ以上に理想に殉じて命を捨てることにこだわる」という、ともすれば古めかしいものだったこと。
戦時中に自分達だけ幸せになることへの後ろめたさもいくらかあっただろうとは言え、そこには現代人の持たない「信念」が煌いていたと思えるのですよ。
というわけで、体験版で惚れ込んだのも間違いではなかった圧倒的な筆力を持つ一作でした。ヒロイックな展開はひとかけらたりとも存在しないけれども、社会科嫌いな理系には辛い部分も多々あるけれども、文句なしに個人評価でSランクを下せます。
あと意外だったのは、戦時下による「明日があるとは思えない」状況下+生命の危機に反応する生物的本能の要素からかエロシーンが学園モノにしては異常なほどにEROかったことですか。
群青の空を越えて 筑波戦闘航空団詳報 (DNAメディアブックス)
- 作者: 書籍編集部
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