主人公エヴァンは脳に問題は無いものの時折記憶を喪失し、しかもその間に謎の行動をとる不可解な少年でした。その症状は成長と共に無くなっていき、やがて「完治」したと思ったのですが………エヴァンは大人になってから気付いたのです。自分には過去に戻れる能力がある。そしてその戻れる過去とは、記憶を失う程の「幼年期のトラウマ」を味わう、その瞬間にだと。そしてそのかたわらには、同じくトラウマを味わっていた幼馴染の初恋の彼女もいたと………。

眼鏡大明神のレビューを読んでから気になっていたので、滑り込みぎりぎりで放映された今回を逃さずチェキしたわけですが。
今年見た映画の中でも五本の指に入るほどの緻密な作りこみように舌を巻いた。
結局「やり直すことで何かを手に入れる」という選択には絶対的に「何かを失う」という対価が必要になるということなのだな、と次第にわかっていきながらも、それでも無限の可能性の中で「自分にとって最良の」結果を求めてしまうのが人間のサガなのだ、ということも感じさせられるという。
それを悟った主人公の最後の選択が、あまりにも切なく気高くて胸を打つ――――




……えーと、一つの作品を何かに例えるのは非常に失礼だと分かっちゃあいるのですが、つまり電王的ルールに縛られたひぐらし世界っぽくてすごい面白かったよ!お勧めだよ!