巡回先とマイミクのことごとくが倍プッシュしてたのでレイトショーのために久しぶりに自転車を飛ばしました。
二時間半が全然長く感じない。
アクション→ジョーカー暗躍→事態変化→アクションの連続で、次から次へと事態が推移していくから「飽き」というものが全く来ないんですよね。観客のテンションを落とすことなくスクリーンに釘付けにさせられるというのはそれだけで物凄い。
特に最後のフェリーのエピソードは本気で息を詰めて見ていた覚えが。
そして勿論クリスチャン・ベールバットマンヒース・レジャーのジョーカーの存在感が圧倒的なのも大きな比重を占めています。闇から迫り来る怪物の具現と狂い崩れたピエロを演じきったこの二人の功績は大きすぎる。片方が故人であることは惜しまれてなりません。
病院爆破シーンはシリアスなシーンなのに噴出しちゃいましたわ。


「正義の味方」っていうのは見返りが存在するわけじゃないから金持ちの道楽としてしか成立しないよなあ、とスパイダーマン2見たあたりから常々思っていましたが、金持ちの道楽としても成立しないのだということを突きつけるような感じでした。
普通の悪人は利益を求めて悪事を働くから対処の仕方は分かりやすい。理屈が存在しないケダモノであれば単純に排除してしまうことだって出来るかもしれない。
けれど、理屈を知っていてなおそれを踏み越える存在にはどう立ち向かえば良いのだろう?
ジョーカーの目的は利益ではない。娯楽だった。「正義の味方」であるバットマンに立ちはだかる「絶対悪」を演じる道化になることを求め、自らの同類を増やすことを――バットマンの守ろうとしているゴッサムシティの住人達を悪に引きずり込むことを望んでいた。
自分の影とも言える存在とどう戦えば良いのだろう?
――――そんな絶望的な状況の中、守るべき対象の市民から罵倒を投げつけられながらも、バットマンは戦い続ける。
真の意味であらゆる見返りを求めずに。「ヒーロー」として賞賛を浴びることすらなく、ただゴッサムシティに平穏をもたらすためだけに。


……なんという格好良いやせ我慢だろうか――――!!将来的に擦り切れて英霊指定ですだよコンチクショウ!!
というわけで心に何かしら燃えるものを持つ者はマスト見るように。前作のバットマンビギンズ見て無くても大丈夫、私も見てない。

21世紀版井上脚本の何がいけないかって多分「中途半端」なところだと思うんだ。
戦隊モノみたいにストーリーのつじつまあわせを大部分放り投げてノリと勢いメインで押し通すだけの子供ウケに徹しきるほどバカにはなれず、かといって玩具商法を無視してまで計算しきった伏線と重厚な物語展開をやってのける創作者にもなれていないから、一番面白いのが開き直ってバカをやってる音也パパと次狼さんのコントということになるんじゃないか。
だから本編でもメインになるであろう「親子愛」を堂々と掲げていたから期待して見てたキバじゃいまいち泣けなかったのに対して、「心の力」という使い古されたテーマで斜に構えて見ていたゴーオンジャーで不覚にもうるっと来たんだと。
殺陣がいちいちツボを衝く動き満載で(本編で忘れ去られた「スーツの車輪で高速移動」ギミックが再び)、クライマックスの王道さに加えて出演者的なファンサービスも満載でさあ。泣くわそれは。


だってパラレルにするならするで二次創作と同じで世界観設定は予め決まってて説明の必要がない分作劇的には楽させてもらってるんだからもう少し出すキャラの書き込みというものをだな。心底仮面ライダーレイの存在意義がわからなかったもん。
一番面白かったのが案の定タロスイマジンの中の人の友情出演って。
まあ、「さらば電王」が予告編だけで震えが来るほどツボなシチュエーションだったのでそれが見られただけで満足ですけど。「二代目ヒーロー」はドラゴンボールの昔から素晴らしいものでだな。