最果てのイマ

最果てのイマ

積みゲー54個目。
とんでもないものを見てしまった。
経験者が口を揃えて「田中ロミオはこの作品で哲学の世界にぶっ飛んでしまった」と言うのもむべなるかな。終盤、SF的な趣向を凝らしすぎてワケが分からなくなります。そこをどうにか乗り越えたとしても、最終的に物語が構成的な意味で認識できなくなります。
一回クリアしただけで納得できたら変態です。二回クリアして了解できたら天才です。
考察サイトを覗きつつ二周目をなぞってようやく何が起きていたか分かると思います。そのぐらい難解な仕掛けがこのゲームには仕込まれていました。
……という感想から何が言いたいか分かると思われますが、超気持ち良く騙される大傑作です。


七人の仲間との日常を描く「聖域編」とSFテイスト全開になる「戦争編」があるわけなんですが、聖域編でのキャラ萌え(アクティブにヘンなあずさとパッシブにヘンな葉子が特に好き)以上に戦争編の雰囲気がストライクゾーンドンピシャリ。
ヨダレが止まらないのである。こういうの大好きなのである。ロミオ節らぶなのである。
Cross†Channelも大好きだったけれども設定面では僅差でこっちが上に来るほどに。
このゲーム最大の特徴である「ブログシステム」を用いた用語解説の楽しさが戦争編で爆発、しかも作り上げられた世界観のルールが私の脳内でうだうだ練ってたネタのほぼ上位互換という、ぶっちゃけ私が書きたかった世界が全部ここに出来上がっているのである。
それはもう翌日早かろうと早朝五時までかけてラストを読み切ってしまうほどに。


というわけで、友情物語が好きで、壮大などんでん返しを掛けられるのが好きで、現代社会についての哲学的な問答を偏愛し、○ブルク○○や○ィ○ー○・○○○ンの世界法則を愛して已まない人種のどれか一つにでも心当たりがあるようならばやるべきです。丁度折りよくフルボイス版も発売されているわけですし。
ただ、ボイスなしでサクサク読む方がこの物語には合っているかも知れない、という思いは無いわけではないけれども。でも彼女達の声が聞きたくて気を抜くとフルボイス版を買ってしまいそうな私はいるよ、ここにいるよ。


おそらくは「最果てのイマCross†Channel(片方)→人類は衰退しました」くらいに繋がっていると考えても無理はないんじゃないだろうか。アレが妖精さんになったんだよきっと。