人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

和む。
この和み方はヤバい。紅茶を片手にクッキーなどつまみたくなりましてよ(嬢)。


はい、やっとこ積み本を崩せました田中ロミオ氏の処女作。味わいとしてはクロスチャンネル最初期のまったりパートをさらに甘口にしたようなふわふわメルヘン。人類は思いっきり黄昏期に入ってるけど割りとそんなことはどうでもいいくらいな気持ちです。
小動物チックな妖精さんたちと新米調停官とそのおじいさんのやりとりが読んでいるだけで心和む幸せな一品ー。


んで何より私にはこの調停官どのがツボだ。脳内独り言までが果てしなく回りくどい一人ボケツッコミでちょっとズレててしかし図太くておまけに妙なコンプレックスを持っているというっ。

「……けっして、自分より大きな動物のことを調べて安心したいわけではないのですよ」

でっかいことがコンプレックスのお姉さんって可愛いと思いませんか。
この娘が話している台詞を読んでいるだけで胸の奥がこう何とも言えぬ衝動に苛まれ。会話文を読んでいるだけで幸せになれるのは「化物語」以来だわっ。


続けようと思えばいくらでも続けられる雰囲気の作品なので熱烈に続刊希望。全八巻くらいで(あんまり長いとグダグダになるから)。人類衰退の謎を解くためにハードシリアスな方向になってもまあ已む無しだけど無くてもいいです。
むしろ無くていいです。



  • 遭えば編する奴ら

妄想の中に逃げるんじゃない。
妄想の中に、攻め込むのさ。
己が愛し、憎む、ありとあらゆる『現実』を武器に――――
虚構の世界を、全て自分のものにする。

やっと読めたー。巻末の既刊説明で連射王が「FORTHシリーズ」になってたことに軽くびっくりしたがそれはそれとして。
今度はシューティング入門から小説執筆実況ですか。ライブ派とプロット派のくだりは色々と頷けるところが多く。
とするとこれは多分頭と尻だけ決めて中盤を全部ライブのノリで書いたんだろうな。終わりのクロニクルからして会話シーン全部そんな感じだし。
作品を知らない作家さんも多かったですけど全然問題なく読めましたな。え、作中の人物、団体は架空のもので実在のそれとは一切全く関係がございません?当たり前じゃないですか(棒読みで)。



しかしこれは――――
どこの学園から卒業したSS使いたちですか、貴方達。