化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

読了。
親の実家から帰ってくるまでの数日で手垢が付くほどに読み返しまくった。
鬼哭街と言い、趣味丸出しで作った作品はどうしてこう素晴らしいのか。作者の蝶天才級の言語センスに脱帽。猫言語早口を即興で思いつく彼奴も。
続編が読みたい。狂おしいほどにこいつらのバカ極まりない掛け合いをもっと聞いていたい。それこそ伝奇的要素は完全に横にうっちゃって夜通し縄跳びをしている話でもこちらは一向に構わんッッ!


登場するキャラクターの全てが全て異常なまでに萌え完全生物だというのも恐ろしい。
バイオレンス9:1ツンデレ

「私に質問をしようだなんて、思い上がるのも程々にしておくことね」
「僕は質問すら許されていないのか……?」
「ひざまずくことさえ許した覚えはないわ」
「ひざまずくつもりなんかねえよ!」
「ひれ伏すつもりがあるというの?」
「僕は立ってちゃ駄目なのか!?」

スポーツ特化エロ素直クール

「私は明るいエロを追及する者だ」
「お前の主義主張なんかどうでもいいよ……」
「ではこう言い換えよう。私は明るいエロスを追及する妖精だ」
「なんてことだ!エロをエロス、者を妖精と言い換えただけで、何だか崇高なことを言われているような気が……してこない!」

バカ丁寧口調言い間違い幼児(≒風子@CLANNAD)、

「どうかされましたか、阿良良々木さん」
「今度は良が増えてるからな」
「失礼。噛みました」
「違う、わざとだ……」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!?」

無口内気しかも前髪が長すぎて目が隠れてるというのに何故か笑い上戸少女、

「ごめんなさい」
「いや、ごめんなさいって言われるほどのことじゃ……」
「暦お兄ちゃんがどこまで突っ込むことが出来るのか試してみたくって、つい」
「そういう事情があったんならもっと何回も繰り返してごめんなさいって言え!」

からだがけしからんパーフェクト委員長。

ひょっとして羽川さん、ブラジャーつけてないんですね。
うわあ……。
人間、生きてればこんなことがあるんだ……。
「阿良々木くん」
「ん?」
「自転車降りたら、話があるからね」
「…………」
見抜かれまくっている……
「ま、まあ、それはさておき、行くぞ。落ちないようにしっかりつかまって……」
って!
何で誤魔化そうとして墓穴掘ってんだ!?

そしてその全てのムチャ振りにも完全に対応してツッコミ返せる弄られまくり主人公の名捕手じみた会話のボール捌き。
あーもー、神様、生涯でたった一つのお願いだ。こういう快生物をどれでもいいから一匹でいいからこの際性別はどっちでもいいから、私の身近なところに配置してくれ。
こっちも話術を磨き上げた上で全身全霊をあげて友達になりにいくから。


つーわけで個人的西尾維新作品ランキングでは現在トップに躍り出た化物語
テンポの良い会話のキャッチボールの変化球ぶりが大好きな者は全力で買いに走れ!


次回作の刀語もバカな掛け合いが多いといいなあ。


バウワウ!―Two Dog Night (電撃文庫)

バウワウ!―Two Dog Night (電撃文庫)

銃声は、高らかに高らかに――――


「現実とある程度地続きでありながら非日常的な世界」というのに弱い。
ニトロプラスのファントムみたいというか。フルメタルパニックというか。
しかし望んで踏み込んだ非日常はどうしようもなく現実で、そこに生きるしかない者たちとの温度差に翻弄されるキャラの生き様。
で、気付いたら主人公と敵役と脇役の配役予想が完全に大間違いだったという展開に大笑い。くそう、途中までは展開を読めたのに!(笑)
どこまでも切なく、どこまでも熱く、そして、ヒーローは必ずそこにいた。
やっぱ良いねぇ、成田氏。