すっかり書くのを忘れていたけれども、やっぱり感想は書いておかなければということで遅ればせながらに。
言ってみれば中盤で種明かしをしたあたりからスパイラルだの戯言だののごとく推理モノの枠を踏み出したこの作品ですけれども、最初から「超常現象が絡まないとは限りません」と明言されていたのだから個人的には別に非難の声を上げるつもりは全く無いのですよ。
ただ、不満はガッツリあるんだけどもね(笑)、
最後の最後で切り札にされた赤坂も、「徹甲弾」の演出のバキ並みの強さとダサさに半笑いになったり。
最後の最後で今までの活躍のリバウンドが来たかのごとく前に出してもらえない圭一&レナに半笑いになったり。
最後の最後でギャグ補正も無く普通に山狗全滅させられる沙都子トラップに半笑いになったり。
最後の最後で皆殺し編の決死の覚悟がまるで意味を成していなかった梨花ちゃんに半笑いになったり。
最後の最後で無呼吸連打の構えを取りつつ実体化する羽入に半笑いになったり。
その辺の瞬間最大風速が急激に失速した時間帯のおかげで、こっちのテンションが天井知らず、というわけには行かなかったのが残念だったかなあ。
まあそれらを含めても祭囃し編が面白かったことには変わりがないわけですが。


鷹野さんが一から積み上げた闇を纏う信念の道筋、それに対比するようにさりげなく弱々しい光が点る監督の生き様によって織り成される舞台裏。それを見せるのが初めてゲームの形を取ったカケラ紡ぎというのがやるなあ、と思わされ、ついに辿り着くハッピーエンドへの道筋を照らすのが今までに繋いだ絆の数々。
特に男どもの格好良さが半端じゃありません。赤坂、監督はもちろんのこと、大石さんの退職金問題(笑)や園崎との和解から、たまに格好いいと思ったら機関車トミーでオチをつける富竹の完成された名人芸にはしばし爆笑が止まらず、なにより名敵役小此木の渋さ、彼のおかげでラストバトルが緊迫感を失わずに済んだというものですよ。
ラストバトルと言えば個人的には最後の一手である「48時間前の死体」が「歩き回る鷹野ゾンビ」と同じトリックという点に「相手の技を返す」というツボを突かれて悶え苦しんだ。


そうしてやっと惨劇を乗り越え、詠まれた下の句にあった限りない希望。
アレを見て、ああこれで決着したんだな、という爽やかな気持ちを得ることが出来たのだ。


52番目のカケラを読む限り、二次創作ドンと来い的なスタンスを取っているようで、未来も希望もいくらでも紡ぐことが出来るのだというメッセージを勝手に読み取った。
ファンディスクも製作中だとかでまだまだひぐらしは終わりそうに無い。