つよきす

つよきす

積みゲー42個目。評価S+。
「ヒロイン全員ツンデレ」ちう触れ込みのワリには狭義(テンプレート通り)のツンデレは実は結構少ない。個人的見解からするならば
カニ:幼馴染ツンデレ なごみ:毒舌交友拒絶型ツンデレ 乙女:素直クール世話焼き姉ちゃん 姫:オレ様系(後半お嬢様ツンデレ) よっぴー:地雷 先生:不思議系
であった。
ゲームとしては作りこみの甘かった姉しよから比べて格段にADVとして進歩を遂げている。軽妙な文章とネタ(なんでかウルトラセブンが多用されているw)は生きているのでかなりの好印象。雰囲気だけを言うならばCross†ChannelとKey系を足して攪拌し、上澄みの青春成分のみを抽出したみたいな感じ。コンシューマ化されるのも納得である。
特筆すべきは「一学期:ツン期 夏休み:デレかけ 二学期:デレ期」という三段階を余すところ無く味わえる点。ここだけは看板に偽りなし。特に通常のギャルゲーの三倍はボリュームのあるカップル成立後のデレ期パートがこの作品の真髄であると思う。
男衆のキャラクターが良いのもポイントの一つ。切れると熱いエセニヒルのレオ、典型的なギャルゲーにおける男友達ポジションにして恐らく最も卑近な投影対象のフカヒレ、完全無欠兄貴のスバルに加え、個人的には報われないこと夥しい村田が物凄く大好きだったりするのである(笑)。具体的に言うと「Pだと!」の台詞でこいつが好きだと気付いた。
脇役カップルとして幸せになりなされ。
各ルート別感想。

突き抜けたバカであり、くっつかなかった時に凹んだり焼き餅妬いたりと、ポジショニングにふさわしい活躍を果たしてくれる、なごみとお気に入り度一位を争う名キャラにして、ルートとしてはぶっちぎりで一位でお気に入り。
何故なら男側三角関係で突っ走ってすれ違いという青臭いにも程があることを大真面目にやってくれちゃっているから。「変わりゆく関係と変わらない絆」っつーシチュエーションは無条件で泣くね。
五つの誓いと「泣いてないもんね!」でボロボロ泣く。その後バカップル化した様を延々見せ付けられてドロドロ溶ける。

  • 乙女

素直クール側ではなく世話焼きおねえちゃん側に比重がかかっているためか、カニルート程のドラマチックさが存在しないのが残念。
とりあえずレオ自重しろ。

  • 先生

どう考えても他に比べて短すぎるし、後半ツンデレ風に仕立てたがツンデレではないし、評価しづらい人である。
でもこういう関係性って好みだなあ。

お嬢様でもテンプレートツンデレでなくすることは出来るんだなぁ、と意表を突かれた感じ。天道を口説き落とそうとする加賀美にでもなったような気分だったぞ(笑)。あまり正攻法でお嬢様を口説き落とす展開の話が無くてタナボタで好意を得る話に触れることが多いからなのか。
一旦こちらに気持ちを向けることが出来た夏休み以降はそれなりに型に嵌ったツンデレであり美味しく頂きました。破壊された偶像とかね。最後の最後で全校放送のオチは腹を抱えて笑わせてもらいましたさ。
アナザーエンド。案の定黒い。とはいえあそこで強行突破する姫もオレ様系だ。

  • よっぴー

他のパートでうすうす黒いことは気付いていたものの、いざ相手してみるとレオの度量のでかさをまざまざと見せ付けられたパート。常人では絶対にここまで付き合えん。
ラストの演出、「Isolationイントロ→曇天→晴天→エンディング」は素晴らしく美しかった。
アナザーエンド。度量デカ過ぎ。

  • なごみ

様式美と機能美の具現、ツン:デレ比9:1の真価。全キャラ中ナンバーワンの急角度を所持するデレ方は半端無いぜ!?コレに匹敵するのはC†Cの霧くらいなものだ!
斯様にベタ惚れ一直線。それもそのはず弁当レビューのあたりで「角が取れるとトーニャっぽいなコイツ」と気付いてはもう逃げ場無し。完全に転んでからは言わずもがな。あやかしびとでもそうだったが毒舌系は小動物系と相性が悪いらしい。
テーマもエンディングも総括的だったのでこいつを最後に回すのが綺麗だと思われる。夢を語れ、先に進め!