はいはいはいはい良い感じに胃の腑に重い物が住み着き目の前が滲んでおりますよ。


徹頭徹尾無力でしかなかった浅羽の戦いの一つ一つが、最後の道の終点で見える幸せな幻想が、垣間見た全ての始まりの一言が、途中で変更されたキルマークが、毒々しい夕焼けに木霊する稚拙な愛の告白が、初めて飛ぶ自由な空が、そしてなにより、何もかもが終わったことを教える対空ミサイルの如きあの絶叫が。未だに色あせず爽やかで切ない放心感を投げつけて消え去っていった。
これがハッピーエンドだなどとは地獄に落ちても認めないけれど、彼女は絶対に幸せだったのだと思う。


彼らの夏は終わった。俺たちの夏は今から始まる。