――――嗚呼。
最高だ。
これ以上に言葉が出てこない。それでいて、ありとあらゆる言葉を尽くしてこの物語を誉めそやしたい。
黙って本を胸に抱えて座り込んでいたいような気もするし、「箱根の皆さーん!これ読んでくださーいッ!」と走る車のサンルーフから顔を出して力の限り叫びたいような気もする。
これだけは確実に言える。私の中で「アリアンロッド・ルージュ」は、現行のきくたけリプレイの中では最高のカタルシスをもたらしてくれた物語としてその存在を固定した。
蒼い翼の少女騎士が生まれたあの私たちの物語のように、決して消えないほどにくっきりと。
無印で作り上げられた基礎の世界観、それを引き継いだ所謂「第二部」としてのネタ、四巻に渡って積み上げられた絆、明かされた真実と下される決断、秒読みで眼前に迫る世界の危機に立ち向かう仲間、彼らも三巻の事件からの不協和音を引きずりつつ、それでも決して足を止めようとしない。そして、あらゆる場所でドラマの形成に梃子を入れる力丸乃り子の神懸かったダイス目が、ページをめくる手を加速させてやまない。
なによりも。演出としてキャラクターの口から吐かれる台詞の一つ一つが、どれだけ心を打ったことか。

面白すぎ


ああ、ちゃうねん
もっとなんか的確な言葉がある!
でも、出てこない!!
うーん、なんだろうな
TRPGやってる人なら分かるんだけど……


TRPGやってると、何年かに一度到来するアレ
あのもの凄い、普段なら絶対到達できない
凄い高みに登った瞬間の感情


あれ
あれよ!!

そう、無理やり言葉にするなら


ありがとう


あー、微妙に違う
なんだろうな


TRPGやっててよかった!!


これと、ありがとうの中間くらいの……
ああもどかしい!!!


井上純弌

おそらく、氏の言が最も的確なのだろう。ならば言うことは最早これしかない。
TRPGプレイヤーの端くれならば。しのごの言わずに――――さっさと読め。